オーストラリア政府は先月11月に、12月1日よりワクチンを2回摂取済みの日本人と韓国人を対象に特定の州への入国を認めましたが、新型コロナウイルスのオミクロン株拡大を懸念し、2週間の延期が発表されました。12月15日からいよいよ入国が緩和され、留学を心待ちしていた方にとっては期待と不安が半々ではないでしょうか。今回は入国緩和が始まるオーストラリアへの留学の中でも人気のワーキングホリデーについてまとめました。
1. ワーキングホリデーについて
一般的な海外旅行とは異なり、ワーキングホリデー協定を結んでいる国へ原則1年間の長期滞在ができる留学です。
日本とオーストラリアは初めて協定を結んだ国で、お互いの国の文化や習慣を学び交流することを目的としています。
現在、日本は25カ国以上とこの協定を結んでおり、申請できるのは18歳~30歳の方が対象となっています。
2. ワーキングホリデーでできること
決められた条件の範囲内で就学、就労、観光など自由に生活することができます。
特に働くことができる点は、収入を得ながら海外で生活することができるワーキングホリデービザならではの大きな特徴の一つです。
というのも、観光ビザでは働くことができず、また学生ビザでは本業が勉強の為、働く時間に制限があるからです。
また、日本の約20倍以上の国土を持つオーストラリアには自然が多く世界遺産に登録されている場所も点在していて、ラウンドと呼ばれるオーストラリア国内を周る旅行をすることもできます。
3. ワーキングホリデーの期間
前述通り、原則1年間と定められていますが、オーストラリアの場合は、2005年11月からワーキングホリデー期間中に、政府が指定する地域で、特定の仕事(主に季節労働)をフルタイムで3ヶ月間(88日間以上)働くことで2回目のワーキングホリデービザ(セカンドワーキングホリデービザ)の申請をすることができ、2年間滞在できる方法があります。
さらに、2019年7月から3回目のワーキングホリデービザ(サードワーキングホリデービザ)の申請も可能となりました。
異なる点は、セカンドワーキングホリデー期間中に6ヶ月間働くことです。
サードワーキングホリデーの注意点としては、休日は労働期間として認められないので、働く期間は実質8ヶ月間程度となります。
セカンドワーキングホリデー期間中の半分以上を季節労働の時間として費やすので、十分に考えて検討するようにしてください。
4. 滞在方法
滞在方法は大きく分けて4つの方法があります。
ホームステイ
初めて留学する方にはおすすめの滞在方法です。
文化や考え方、生活習慣を身近で体験できることはもちろん、現地でのマナーやルール、土地勘などが身につくまでの期間は心強い存在となってくれます。
語学学校で友人ができるまでは良き話し相手にもなってくれることが多く、ホストファミリーとコミュニケーションを取ることでネイティブな英語にも触れることができます。
ただ、最初の頃は英語が分からず、積極的に話すことができずに部屋に閉じこもってしまうなんてこともあるかもしれませんが、ホームステイをすることは家族の一員になるということです。
失敗を恐れず、積極的に会話し、充実した生活を送れるように心がけましょう。
学生寮
オーストラリアに来ている世界中の学生と共同生活をすることができます。
リビングやキッチン、お風呂、トイレなどを共有スペースとして、部屋は1人部屋か2人部屋、また食事付きかなしかを選ぶことができますが、語学学校によっては寮を完備していない教育機関もあるので、希望する学校が決まっている場合は事前に確認するようにしましょう。
同じ学校の学生と暮らすので、情報共有や日常会話で英語を話す機会も増えますが、日本人と同じ部屋になる場合もあり、必ずしも英語を話す環境になるとは限りません。
ただ、日本人同士が英語で話してはいけないルールなどありませんので、意識するだけで環境は変えることができます。
シェアハウス
シェアハウスはアパートの一室や一戸建てなどに複数人で暮らす方法です。
ビーチに近い場所が良い、もしくは家賃重視で郊外でも安い場所など自分の生活スタイルに合う物件を探し、自由に生活することができます。
シェアハウスに関して気をつけていただきたいのは、日本からメールのやり取りで決めて、実際に住んでみたら全然違う!ということです。
ネットに掲載されている写真が必ずしも現在の状況であるとは限りませんので、必ず内見して決めるようにすることをおすすめします。
バックパッカー
バックパッカーはホテル比べて安いですし、短期での宿泊もできるので、ホームステイ先やシェアハウスが見つかるまでの間、滞在先とする方法もありますが、基本的に自炊で必要最低限の設備が揃っていることがほとんどですので、初めて留学する人向けではありません。
5. 申請方法と各種条件について
ワーキングホリデービザの申請はオンラインで行います。
その他の条件は下記の通りです。
パスポートを持っていること
18歳~30歳(30歳で申請していれば、31歳で渡航できます)
オーストラリア国外からオンライン申請すること
子どもを同伴しないこと
ビザ取得後1年以内に渡航すること
ビザの発給制限はなし
同じ雇用主のもとで最長6ヶ月間の就労ができる
6. ワーキングホリデーに必要な費用
必要となる費用は、語学学校に通う期間や滞在する場所による家賃の違い、そして過ごし方次第で大きく異なりますが、平均的に100万円を準備する方が多いです。
単に100万円と言われても何にどれくらいの費用がかかるのか想像するのが難しいと思いますので、最初の1ヶ月をホームステイ、残りの期間をシェアハウス、語学学校には最長の4ヶ月通い、残りの期間をフルタイムで働いたと仮定して試算します。
【支出】
ビザ申請費用 4万円(AU$495)
航空券 8万円
海外留学保険 20万円
滞在費①(ホームステイ / 1ヶ月) 12万円
滞在費②(シェアハウス / 11ヶ月) 53万円
生活費 (食費や携帯代など) 53万円(AU$550 × 12ヶ月)
交通費 10万円(年間)
語学学校の学費(最長4ヶ月) 40万円
支出合計 200万円
【収入】
フルタイムで7ヶ月就労、手取り$16 × 週35時間(5日 × 7時間)
バイト収入$560 × 28週間(7ヶ月)
収入合計 125万円
必要となる費用 75万円(200万円 - 125万円)
しっかりとアルバイトできる環境が整えば、現地で生活するだけの収入を得ることができますが、留学してすぐは語学学校に通い、仕事をする時間が限られますので、数ヶ月分の生活費は余裕を持って準備しておきましょう。
アルバイトに関しては、求人サイトの利用や働きたいお店に履歴書を持っていく、語学学校でできた友人に紹介してもらうなど様々な方法で探すことができます。
まとめ
ワーキングホリデーとは協定を結んでいる国へ1年の長期滞在ができる留学
ワーキングホリデーでは就労、就学、観光など自由に過ごすことができる
原則として期間は1年間だが、オーストラリアは条件を満たせばセカンド、サードビザの申請が可能
大きく分けて4つ滞在方法があり、それぞれメリットとデメリットがある
ビザの申請はオーストラリア国外からオンラインで行う必要がある
試算すると75万円が必要となるが、数ヶ月分は余裕を持って準備したほうが良い
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