オーストラリアの高等教育機関(TAFE/専門学校、大学・大学院など)を卒業後、Temporary Graduate Visa、通称卒業生ビザを取得することで、長期の就学、就労が可能となります。一般的にこの卒業生ビザは、オーストラリアでの永住を目指す、また、職業経験を積み長期の滞在・居住の可能性を探す期間として活用できるビザです。そして、この卒業生ビザは、2つのタイプに分かれていて、それぞれ申請に必要な条件と滞在可能期間が異なります。今回は卒業生ビザについて、2つの異なるタイプについても触れながら紹介していきます。
1. 卒業生ビザについて
オーストラリアの高等教育機関(一部のTAFE/専門学校のコース、大学・大学院など)を卒業後、卒業生ビザ(Temporary Graduate Visa)を取得することで、長期の就学、就労が可能となります。
一般的にこの卒業生ビザは、オーストラリアの永住権獲得を目指す、また、職務経験を積むことや長期滞在が可能なビザのスポンサーとなる企業探しなど、卒業後もオーストラリアに滞在、居住の可能性を探す期間として活用できるものとなっています。
2. 卒業生ビザのメリット
卒業生ビザを取得するメリットは、
永住権獲得の可能性
海外での職務経歴
長期滞在が可能
の3つが挙げられます。
永住権獲得の可能性
将来的に永住権の獲得を目指す場合、ほとんどの場合で職務経験の証明が必要となります。特に雇用主スポンサービザではフルタイムで働いた証明が必要になるため、就労制限なく働ける卒業生ビザは大きなメリットになります。
海外での職務経歴
卒業生ビザは学生ビザのような就労制限がありません。現地の方と同じようにフルタイム、パートタイム、カジュアルの全ての雇用形態で就労することができます。
長期滞在が可能
18ヶ月以上の長期滞在が可能になるため、上記に挙げた職務経験を積むことができること、また、ポイントシステムのビザ申請の為の準備期間にあてることもできます。
3. 卒業生ビザの種類
卒業生ビザ(Temporary Graduate visa:subclass 485)には、
の2つの種類のビザがあります。
Graduate Work stream
まず、技術職業リストSOL(Skilled occupation list)に記載されている職業に関連する2年以上のコースを修了している必要があります。
このSOLには、
MLTSSL(Medium and Long-term Strategic Skills List / 中長期的に不足している職業)
STSOL(Short-term Skilled Occupation List / 短期的に不足している職業)
ROL(Regional Occupation List / 地方で需要のある職業)
の3つのタイプがあり、MLTSSLリストに入っている職業でなければいけません。
また、申請前にスキルアセスメント(Skill Assessment / 技術査定)の申し込みが必要で、コース修了後(卒業後)にビザの取得ができるというわけではありませんので注意が必要です。
スキルアセスメントとは、職種によって査定する期間があり、職務経歴をオーストラリアのものに置き換えることなのですが、卒業生の場合職歴がないので実習などを通して申請することになります。
Post-study Work stream
オーストラリアで大学(Bachelor)以上の学位(Degree)を取得できるコースへ就学し、コース修了後に申請ができるビザです。
こちらのタイプのビザは、職業の制限がないため、どの分野を勉強、研究していても問題ありません。
学位によってビザの期間が異なり、
学士号(Bachelor) - 2年間
修士号(Master) - 3年間
博士号(Doctor) - 4年間
となっています。
下記、卒業生ビザのタイプ別に、期間、申請費用、必要となる英語力など詳細をまとめています。
上記の通り、Gradeate Work streamに関しては2023年の6月末まで一時的に撤廃されている要件があります。2023年7月以降は未定となっていますので、最新情報を確認するようにしてください。
4. 卒業生ビザ申請時の共通事項
ここまで、卒業生ビザには2つのタイプがあることを説明しました。
そして、それぞれ異なる要件は上記で紹介した通りになりますが、その他共通事項があります。
卒業生ビザの共通事項は、
50歳未満であること
申請時に有効なビザを保持していること
6ヶ月以内に学生ビザを保有していたこと
適切な健康保険に加入していること
AFP(Australian Federal Police)チェックを申請していること(犯罪歴証明書)
上記5点と、最後に重要な1点があります。
それは、卒業生ビザは2年以上(登録上92週)のコースを修了していることが必須ということです。
例えば、修士号(Master)のコースを、
Postgraduate Certificate(0.5年) + Master(1.5年)
のように単位移行して合計2年で修士号のコースを修了している場合は注意が必要です。
というのも、修士号は1.5年と判断され卒業生ビザの申請対象とならないからです。一方で、単位移行して修士号のコースを修了していても同じ専攻のコースをそれぞれ修了している場合は申請対象となります。
例えば、
Postgraduate Certificate (Accounting専攻 - 0.5年) + Master(Accounting専攻 - 1.5年)
というケースです。
ですので、卒業生ビザを申請する場合は、
2年以上(登録上92週)のコースを修了していること
単位移行している場合は、専攻が同じであること
を必ず確認するようにしてください。
まとめ
卒業生ビザ(Temporary Graduate Visa)は、一般的に
オーストラリアの永住権獲得を目指す
職務経験を積む
長期滞在が可能なビザのスポンサーとなる企業探し
など、高等教育機関を卒業後もオーストラリアに滞在する可能性を探す期間として活用できるビザです。
卒業生ビザには、
Graduate Work stream
Post-study Work stream
の2つのタイプがあり、それぞれで申請時に必要な要件、ビザの期間など異なります。
卒業生ビザは、オーストラリア政府が海外留学生に対して、高等教育機関で学んだ知識や技術を現地オーストラリアの職場で活かす機会を与えているものですが、ビザの取得が就職の確約となるわけではありませんので、上手に活用して目標を達成できるようにしてください。
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