これまでの記事で幾度となくTAFEと専門学校について書きました。TAFEは公立の職業訓練校で専門学校は私立の専門学校（カレッジ）のことですが、その違いに困惑されている方も多いのではないでしょうか。今回は、TAFEと専門学校の違いをまとめました。
1. TAFEと専門学校
【TAFE（公立の職業訓練校）】
オーストラリア全土にキャンパスを持ち、州ごとに管轄が異なります。公立の職業訓練校であるため、オーストラリア国内のあらゆる職業に対応できる人材を育成するため、多種多様なコースを提供しています。そのため、学校の規模は大きく、専門分野は多く、現地オーストラリア人の学生が多いという特徴があります。オーストラリア人の学生が多いことから、英語を勉強する環境は整っていますが、一方で自分の意見や主張はハッキリと示すことが求められます。
【専門学校】
Private Collegeと呼ばれる私立の専門学校で、主に主要都市部にキャンパスがあります。TAFEに比べるとコース数は少ないものの、様々なコースを提供しています。主に海外留学生が在籍しており、多国籍な環境に身をおいて勉強できます。
2. 取得できる学位
オーストラリアでは、AQF（Australian Qualifications Framework）によって高等教育機関で取得できる学位には基準が定められています。
これはオーストラリア全土で共通の学位・資格として認められる制度ですので、制度の基準を満たしていれば専門学校で取得した学位もTAFEで取得した学位も、コースの期間や学費の違いなどに関わらず共通の学位として認められることになります。
続いて、TAFEや専門学校で取得できる学位について説明していきます。
【Certificate】
6ヶ月～12ヶ月で取得できるコースが多く、初歩的なスキルから基礎知識などを身につけ広い範囲で応用することができます
【Diploma】
履歴書に資格として記載できる学位です。日本の短期大学の学士に相当し、専攻分野における多くの知識や実践的なスキルを身につけ、即戦力の人材として大学2年時に編入できる場合があります。
【Advanced Diploma】
Diplomaのさらに高いレベルで、身につける専門的な知識やスキルはより複雑になり、求められる責任もより重いものとなりますが、Diploma以上の学位を取得しているかどうかで雇用の条件が変わることも多いです。
【Bachelor / Master】
大学卒業と同じ学士号の学位や大学院卒業と同じ修士号の学位が取得できます。
各コースによってレベルが異なり、CertificateからBachelor / Masterの順に難易度が高くなります。
3. 入学について
TAFEと専門学校では入学月が異なります。
TAFEは基本的に入学月を年に2回としている為、人気のコースが定員に達した場合や入学条件の一つである英語力条件を満たすことができない場合は、希望の入学日を半年遅らせなければいけません。
一方で、専門学校は入学日を毎月設定しているなど、独自の教育方針があるので、留学生の受け入れに対して柔軟に対応してもらえます。
このように入学月が違うため、TAFEの場合は希望する入学月に入学できるように準備を進める必要があります。
まとめ
TAFEは公立の職業訓練校で、専門学校はPrivate Collegeと呼ばれる私立の専門学校である
AQFにより取得できる学位はコース期間や学費などの違いに関わらず共通の学位として認められる
TAFEと専門学校では入学月が異なる、特にTAFEの場合は年に2回の入学に合わせて準備をする必要がある
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