昨年末オーストラリア政府は新しい移民政策の発表の中で、学生ビザと卒業生ビザの基準の引き上げについて言及しており、2024年3月23日、その基準の変更が適用されました。
この記事では今回の学生ビザ変更点について紹介します。
1. GTEからGS要件に変更
3月23日以前まではGTE(Genuine Temporary Entrant)と呼ばれる作文の提出が必要でしたが、3月23日以降の学生ビザ申請はGS(Genuine Student)と呼ばれる要件に変更となりました。
GSの要件は、
申請者の現在状況(家族、雇用、経済状況など)
留学理由(オーストラリアを留学先として選んだ理由、コースを選択した理由など)
コース受講の影響(申請者のメリット、コース修了後の展望など)
過去の渡航歴(過去学生ビザでオーストラリア滞在の有無、滞在歴、詳細について)
などその他の関連事項も含め多くの要素を考慮しオーストラリアで勉強する学生の真の意図を評価することに重点を置いています。
2. 英語力条件の変更
学生ビザ(Subclass 500)申請時の英語力条件が下記の通り変更となりました。
コース | 変更前 | 変更後 |
大学 / TAFE / 専門学校 | IELTS5.5 | IELTS6.0 |
大学進学準備コース | IELTS5.0 | IELTS5.5 |
英語コース + 専門学校 | IELTS4.5 | IELTS5.0 |
一般英語コース | 英語力条件なし | 英語力条件なし |
TAFEや専門学校の多くのコースでは、入学する際の英語力条件をIELTS5.5と設定していましたが、今回の変更を受けて、英語力条件をIELTS6.0へ引き上げる予定です。
これは入学条件をIELTS5.5のままにしておくと各教育機関から入学許可証は発行されても学生ビザの認可が降りないという状況になりかねないからです。
そもそも日本人の学生ビザ申請者はこれまで英語力条件が求められていなかったことを考慮すると、今回の条件変更が与える影響は非常に大きなものになると言えます。
※IELTSはアカデミック・モジュールのスコア
3. 卒業生ビザの変更点
今回の変更は学生ビザのみならず卒業生ビザ(Subclass 485)の英語力条件も変更となっています。
変更前 | 変更後 |
IELTS6.0 | IELTS6.5(各5.5以上) |
また、英語力証明の有効期間が3年から1年に短縮されるので、コース修了前から卒業生ビザ申請の時期を考慮し、1年以内に英語力を証明するテストを受講しなければいけません。
4. その他の変更事項
今回の変更はこれまでに紹介してきた変更のほか、
学生ビザ対象コースの削減
教育機関に対する停止証明の発行
なども含まれています。
コースの削減に関しては、一般的にビザ取り学校と呼ばれる格安の専門学校が対象とされていて、オーストラリアの教育の質を高い水準で保つために、教育機関に問題(学生ビザの申請拒否数、ビザの条件違反、不法滞在など)がある場合「停止証明」が発行することができるようになりました。
そのため、これから格安専門学校や質の低いと判断された教育機関は存続できなくなることが予想され、学生ビザで留学を検討している方は、質の高い教育機関を選ぶ、また、正しい情報を得ることが必要であると同時に非常に重要になります。
結果として、これまで以上に入念な留学計画を立てる必要があり、時間に十分な余裕を持って準備を進めなければいけません。
まとめ
2024年3月23日に発表された大きな変更点は、
GTEからGS要件に変更
学生ビザ申請時の英語力条件の変更
上記2点です。
特に英語力条件は大きな変更点で、高等教育機関への進学を目指す方にとっては、IELTS5.5 → IELTS6.0の変更を受け足りない英語力を身につけるために英語コースを受講するなど、これまでの期間とは異なるケースも多くなることでしょう。
ただし重要なことは何も変わらず、正しい情報を得て余裕を持って留学準備を進めることです。
弊社ではメールやLINE、お電話でも留学に関するご相談を受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。
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