2021年7月2日、オーストラリアのスコット・モリソン首相は、コロナ禍から脱却し復興に向かうための「4段階の復興計画」を発表しました。コロナ禍以前の状況に戻すための具体的な復興計画が発表されたことは、オーストラリア留学を目指す方にとって、非常に前向きなニュースとなったのではないでしょうか。特にイギリス、カナダ、アメリカなどではそれぞれの国で条件付きとはいえ、すでに留学ができるようになっていたので、この復興計画が問題なく進みオーストラリアへの渡航や留学もできるようになるのを願うばかりです。今回は発表された復興計画について情報をまとめました。
4段階の復興計画について
オーストラリア政府はコロナ禍からの脱却に向け、4つの段階に分けた具体的な復興計画を打ち出しました。
それぞれの段階の概要は以下の通りです。
【フェーズ1(第一段階 / 現在がこのフェーズ)】
Current Phase - Vaccinate, prepared and pilot(ワクチン接種・準備・案内の段階)
新型コロナウイルス感染の抑制を続けると同時に、必要な量のワクチン接種を全国民にできるだけスピード感を持って提供する
海外からの入国者及び帰国者を半減させることにより、デルタ(インド)型変異株の感染拡大のリスクを抑え、検疫施設への負担を軽減させる
ホテル隔離の代わりにワクチン接種済の帰国者に対して、自宅での隔離を含む隔離措置を試験的に導入する
学生ビザ、ビジネス関連ビザ保有者の入国試験運用を拡大する
ワクチン接種証明書のデジタル認証を実施する
ロックダウンは最後の手段としてのみ実施する
【フェーズ2(第二段階)】
Post Vaccination Phase(ワクチン接種完了後の段階)
ワクチン接種済の居住者に対して各種規制の緩和が適用される
ロックダウンは入院者数、死亡者数の拡大を防ぐために緊急事態時のみ実施する
入国上限数を設け、学生ビザ、ビジネス関連ビザの保有者の入国を許可する
【フェーズ3(第三段階)】
Consolidation Phase(統合(新型コロナウイルスをその他の感染症と同様の扱いにする)段階)
ロックダウンを実施しない
ワクチン接種済の居住者に対して国内行動制限を全面的に免除する
学生ビザ、ビジネス関連ビザ保有者の入国上限数の更なる拡大
ワクチン接種済を条件に国外渡航の制限を解除する
トラベルバブル(隔離なしの一般渡航)の拡大
新型コロナウイルスをその他の感染症と同様の扱いにし管理する
【フェーズ4(第四段階)】
Final Phase(最終段階)
ワクチン接種者は隔離なしで入国可能になる
ワクチン未接種者は入国上限数が撤廃される(出発前と到着時の検査実施が条件)
以上の4つ、それぞれの段階でこの計画は実施されます。
特に注目したいのが、学生ビザ保有者に対して言及があったことではないでしょうか。
今後段階的に、
入国試験運用の拡大
入国上限数を定め、入国を許可
入国上限数の拡大
の順で進められていく予定です。
具体的な日程などの発表がありましたら、随時更新していきます。
まとめ
新型コロナウイルスの対応は国によって分かれていますが、冒頭でもお伝えした通り、イギリスやカナダなどの留学状況を考えると、オーストラリアの対応は厳しいのかもしれません。
ただし、コロナ禍における判断と対応の速さが、これまでの感染状況を世界的に見ても低水準に抑えている点は評価されるべきことだと思います。
そして、今回の発表で明確になったのは、ワクチン接種が重要(※)であることです。
接種が進むことで次のフェーズに移り、最終的に元の生活を取り戻すという国の方向性が分かったことは、留学を検討されている方にとって非常に前向きなニュースになったと思います。
この計画が問題なく進み、1日でも早く安心して渡航や留学ができる日を迎えられるのを心待ちにするばかりです。
※ワクチン接種は個人の判断です。また、ワクチン未接種であっても渡航できないわけではありません。
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