オーストラリアでは3学期制を導入している大学が多く、日本の高校を卒業後に大学進学を目指す場合、6月/7月入学が最短で入学できる時期になります。そして、約1年前から志望校とコースの情報収集を始めるのが一般的ですので、ちょうど今の時期が2025年に大学進学を目指すスタート時期になります。そこで今回は、オーストラリアの大学へ進学するために必要な情報を紹介します。これから大学進学の情報収集を始める方は是非参考にしてください。
【目次】
オーストラリアの大学レベル
オーストラリアの大学入試制度
入学月と卒業までの期間
大学進学方法
出願
1. オーストラリアの大学レベル
オーストラリアには約40校の大学があり、そのほとんどが国公立の大学です。
日本の約800校、また、アメリカの約4000校と比較するとかなり数は少ないように感じてしまいますが、数が少ないということで志望校とコース選択において絞りやすいです。
また、オーストラリア政府が一定基準以上の質を保つように指導する法律が整備されているため、大学間格差が非常に少ないことでも知られています。
日本では意外と知られていないことですが、オーストラリアは教育大国として世界中から認知され毎年多くの留学生がオーストラリアの大学へ進学しています。
それを証明しているのが、各大学調査機関が公表する世界大学ランキングですが、詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。
参考記事:最新のQS世界大学ランキング
外部リンク:QS世界大学ランキング
イギリスの大学調査機関であるQS世界大学ランキングを参考にすると、世界TOP100位にランクインしている大学数はそれぞれ
オーストラリア - 9校
日本 - 4校
アメリカ - 25校
となっています。
数だけ見ればアメリカがダントツで多いですが、大学数を考慮するとどうでしょうか?
オーストラリアは約10校に1校、日本は約200校に1校、そしてアメリカは約160校に1校と大学間格差が一番少ないのはオーストラリアであるとことが分かります。
ただし、アメリカに関してはTOP100にランクインしている大学はTOP10を含めほとんどが上位校であること、また、日本の大学も200位まで範囲を広げると10校がランクインしていることから、世界的に高い評価を受けている大学はそれぞれの国で多くあります。
そのため、それぞれの国の特徴を把握し、改めてオーストラリアの大学の特徴を正しく理解することが重要になります。
2. オーストラリアの大学入試制度
続いてオーストラリアの大学入試制度について紹介します。
オーストラリアの大学では日本のように入試がありません。
入試の代わりに、
学力
英語力
で書類審査で合否判定が行われます。
合否判定には、
合格
条件付き合格
不合格
の3つがあり、それぞれ紹介していきます。
合格
出願した大学の入学条件を満たしているため、期日までに所要の手続き(合格通知書へのサインと学費の一部お支払いなど)を済ませることで入学許可証が発行されます。
条件付き合格
一般的に条件付き合格の通知を受け取るのは、英語力条件を満たしていない場合です。
例えば、出願した大学の英語力条件がIELTS6.5だとします、その際英語力がそれ未満であれば大学が指定する期日までに英語力条件を満たすことを条件に合格とする通知を条件付き合格と呼んでいます。
英語力を満たす条件は、
IELTSなどの英語力を証明できる試験を受け条件を満たすスコアを取る
大学提携の英語コースを受講する
など大学によって様々です。
条件を満たしたら、合格時と同様に期日までに所要の手続きを済ませることで条件付き合格→合格へとなり入学許可証が発行されます。
不合格
出願した大学の入学条件を満たしていない場合に通知されます。
不合格の場合は、できるだけ希望に沿う大学を探し改めて進路を決めることになります。
ここまでオーストラリアの大学レベルと入学システムについて紹介してきました。
オーストラリアの教育水準は世界的に見ても高水準
入試はなく、書類審査で合否判定を受ける
ここまで紹介したことは大きくまとめるとこれだけなので、覚えておいてください。
続いてオーストラリアの大学の特徴について紹介します。
3. 入学月と卒業までの期間について
冒頭でお伝えした通りオーストラリアでは3学期制を導入している大学が多いため、年に2or3回の入学月があります。
一般的に、
1学期 - 2/3月
2学期 - 6/7月
3学期(夏期) - 9/10月
としている大学がほとんどで、日本の高校を卒業後に大学進学を目指す場合は2学期に進学します。
ただし、大学によっては2学期制の大学もありますし、専門性の高いコース(看護など)によっては1学期or2学期で開講、1学期のみ開講など様々ですので、志望校を決める際に確認するようにしておきましょう。
続いて卒業までの期間ですが、理系を除く多くのコースが3年で卒業することができるため、より早く社会に出てキャリアを積むことができます。
大学卒業後は卒業生ビザといって現地就労を後押しする制度を活用することもできますので、大学入学をゴールにせず、就職までをしっかりと見据えて進路を決めるようにしてください。
続いて大学進学方法について紹介します。
4. 大学進学方法
それではいよいよ大学進学方法についてです。
オーストラリアの大学へ進学する方法は、
直接入学
ディプロマコース経由
ファウンデーションコース経由
の3つの方法があります。
それぞれ見ていきましょう。
直接入学
名前の通り直接入学する方法ですが、「学力」と「英語力」が大学の定める条件を満たしていなければこの方法で進学することはできません。
英語力条件に関してはほとんどの大学がIELTS6.5(各6.0以上)としています。
学力に関しては、大学によって様々で高校3年次の成績でGPA3.7〜(5段階評価)としている大学が多いです。
また、看護や教育などの専門性の高い分野ではIELTS7.0以上の非常に高い英語力が求められますので、志望大学と合わせてコースの入学条件を確認することは非常に重要です。
ここまで読んだ方の中には直接入学できない場合はどうするの?と思った方もいらっしゃると思います。
オーストラリアは非常に柔軟な入学システムを採用しているため、直接入学できない場合でもこれから紹介する方法で入学することができるのです。
2. ディプロマコース経由
直接入学の方法が取れない場合、まず第一候補になるのが、ディプロマコース経由です。
ディプロマコースとは大学1年次相当の課程を履修し、少人数かつ実践的な授業を行うという特徴があります。
そのため、コースによって(整備士、調理師など)はディプロマコースを修了後に就職を目指すこともできます。
ディプロマコースを経由する最大のメリットは、
入学条件が下がる
取得した単位は大学へ移行できる
ということです。
入学条件が下がる
ディプロマコースの入学条件は、IELTS6.0(各5.5以上)、高校3年次のGPA2.5〜(5段階評価)など特に学力条件においてはかなりハードルが下がります。
余談になりますが、2024年3月に学生ビザの申請条件が変更となり、大学進学を目指す場合における学生ビザ申請時の英語力条件がIELTS6.0(各5.5以上)となりました。
この変更が適用される前までは、IELTS5.5(各5.0以上)というのが一般的なディプロマコースの受講条件でしたが、今回の変更を受けてそれぞれの高等教育機関でもIELTS6.0に合わせるようになりました。
理由としては、IELTS5.5でディプロマコースの受講条件を満たしても、学生ビザの申請要件を満たさず入国できなければ、そもそもコースを受講できないということになってしますからです。
取得した単位は大学へ移行できる
ディプロマコースを規定の成績で修了すると履修した単位を大学に移行できるだけでなく、改めてIELTSのスコアを取る必要はなく、大学2年次に編入することができます。
そのため、直接入学する場合と同じ期間で卒業することができます。
ディプロマコース(約1年)+ 大学(2年)= 合計3年間
という流れです。
ただし、注意点があり、編入できる学部は関連学部でなければいけません。
例えば、ディプロマコースでビジネスを受講し大学でITの分野に進みたいということはできないということです。
このディプロマコースは大学に併設されているカレッジで開講されていますが、TAFE(テイフ)と呼ばれる公立の職業訓練校でも受講することができます。
TAFEは授業料がかなり安いということもあり、とにかく授業料を重視したい方にとってはおすすめの進路となりますが、反対にデメリットもありますので、詳細を知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
参考記事:TAFEや専門学校から大学編入
3. ファウンデーションコース経由
ファウンデーションコースは大学進学準備コースとも呼ばれていて、アカデミック英語、プレゼンテーションの準備から発表までの仕方、リサーチの仕方、グループディスカッション、課題の取り組み方、講義でのノートの取り方など大学進学後に困らないようになるためのコースです。
コース受講条件は、IELTS5.5(各5.0以上)、高校2年次のGPA2.5〜(5段階評価)というのが一般的で、規定の成績で修了すると、改めてIELTSのスコアを取る必要はなく、大学本科コースへ進学することができます。
ディプロマコースとの違いは、履修するのは大学の準備に関連した内容になりますので、単位以降はなく、
ファウンデーションコース(約1年)+大学(3年)= 合計4年間
となります。
コース受講条件はディプロマコースとあまり変わらないので、予算(学費や生活費)に余裕がありしっかりと土台を固めた上で大学進学を目指す方にとってはおすすめの方法となります。
大学そしてコースによって入学条件は異なりますので、志望校や志望コースが決まっていて詳細をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
ここまで大学進学方法について紹介してきましたが、上記3つの方法でも英語力が足りないという方もいらっしゃるかもしれませんね。
IELTS5.5未満の方は、大学附属の語学学校や提携教育機関で英語コースを受講し、必要な英語力が身についた後で大学進学を目指すことができますので安心してください。
ただし、その分時間と費用が多くかかりますので、オーストラリアの大学へ進学を目指す場合は、英語を勉強する時間を作るように工夫することが大事です。
学校の勉強やテスト、部活がある人もいて時間を作ることは決して簡単なことではないと思いますが、日々の積み重ねが時間と費用の節約となり一番の親孝行となるのではないでしょうか。
弊社では進路相談からこれから紹介する大学への出願代行、現地到着後の現地オフィスによるサポートまで全て無料で行なっていますので、この機会に是非ご相談ください。
5. 出願について
最後に出願について紹介します。
志望校とコースが決まったら、大学へ出願をします。
出願に必要な書類は、
願書
パスポートのコピー(顔写真のページ)
高校の成績証明書(日本語/英語)
高校の卒業証明書(日本語/英語)
英語力証明書
の5点が必要になります。
在学中に出願する場合は、成績証明書は高校3年の1学期までの成績、また、卒業証明書は卒業見込み書で代用できますが、いずれも高校を卒業後に最終の証明書を再提出する必要があります。
出願後、早ければ2週間程度、通常4〜8週間で合否判定の通知が届きます。
この通知をオファーレターと呼んでいますが、合格通知であれば、オファーレターへ同意するサインと学費の一部お支払いを済ませて入学許可証(CoE)が発行されます。
合わせてこの間に海外留学生保険(OSHC)の加入を済ませます。
このCoEの発行とOSHCの加入が済めば、学生ビザの申請が可能となります。
仮に弊社経由でお申し込みいただいた場合、出願から現地到着までの流れは、
出願
↓
合否判定
↓
オファーレターへのサインとお支払い
↓
OSHCの加入
↓
CoEの発行
↓
学生ビザの申請
↓
認可でビザ発給
↓
出発 / 到着
↓
大学のオリエンテーションに参加
↓
現地オフィスのオリエンテーションに参加
簡単ですが上記の通りになります。
出願をするメリットは、志望校のコースに関する情報が全て把握できることです。
例えば、クイーンズランド工科大学(QUT)のディプロマコース経由で出願した場合を例に挙げると、
上記の通り、コース名、キャンパス、コース開始日、期間、授業料、奨学金など、また条件付き合格となった場合、何の条件を満たせば合格となるのか理解できることによって、逆算して準備することもできます。
一般的にディプロマコースと合わせて大学(学士号/Bachelor)も出願しますので、
Conditionsの箇所にあるように、大学に関してはSuccessful completion of the Diploma program
(ディプロマコースを規定の成績で修了する)ことで編入できると記載されています。
このように出願することで正しい情報をしっかりと把握することができます。
逆に出願するデメリットは特にありません。
強いて言えば、グループ・オブ・エイト(Go8 - オーストラリアで特に優秀な8大学)や一部の世界大学ランキング上位校へ出願する場合、出願料がかかる場合があることです。
正しい情報を収集するには出願が一番早い方法と言えるかもしれませんね。
最後になりますが、大学進学を目指す場合、約1年前の情報収集を始めるところからがスタートとなります。
つまり、高校卒業後に2025年の大学進学を目指すのであれば、ちょうど今がその時期にあたります。
ネットで検索すればいくらでも情報が出てくる現代ですが、その情報が正しいかどうかは分かりません。
それを確認する方法は大学留学経験者や弊社を含め無料で運営している留学エージェントを活用することも選択肢に入るかと思います。
進路相談から出願、学生ビザの申請サポートなど何かオーストラリアの大学留学に関してお困りごとがあれば、何度お問い合わせいただいても納得されるまで対応させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
いかがだったでしょうか?
情報量が多く、一回で読むのは大変だったかもしれません。
まず、最後まで読んでいただきありがとうございました。
最後にまとめさせていただきます。
オーストラリアの大学は世界的に見ても非常に高い評価を受けている
日本の大学入試と違うところは、「学力」と「英語力」による書類審査で合否判定をすること
合否判定には、合格と不合格の他に、あまり馴染みなのない「条件付き合格」と呼ばれるものが含まれる
一般的に条件付き合格と呼ばれるのは、英語力条件を満たしていない場合に通知されるもので、この条件を期日までに満たすことによって条件付き合格が合格へとなり入学することができる
入学月は複数回あり日本の高校を卒業後、最短では2学期入学を目指すことになる
卒業までの期間は理系分野を除く多くの分野で基本的に3年間となっている
進学方法は「学力」と「英語力」の状況に応じて直接入学、ディプロマコース経由、ファウンデーションコース経由の3つの方法がある
出願には必要な書類は、願書、パスポートのコピー、高校の成績証明書と卒業証明書、英語力証明書の5点
弊社では2025年に大学進学を目指す方を対象に定期的に無料の個別説明会を実施しています。
下記ページより説明会のご予約ができますので、この機会に是非ご参加ください。
日時のご都合がつかない場合は、ご希望日時をいただければ調整することが可能ですので、お気軽にお申し付けください。
※2024年6月28日時点の情報で記事を作成しており、その後変更されている場合もありますので必ず最新情報を確認するようにしてください
Comments