2021年7月現在、新型コロナウイルスの影響を受けオーストラリアへの入国はいまだ緩和されていません。留学を延期した方も多くいらっしゃいますし、中には留学することを諦めた方も少なくないかもしれません。しかし、ワクチン接種も進む中で2022年には入国規制も緩和されることが予想されています。高校卒業後に大学進学を目指している方にとっては、2022年7月、10月の入学を目指し準備を進めることができます。今回は、2022年に高校を卒業する方向けにオーストラリアの大学進学方法について説明していきます。
1. オーストラリアに留学できるの?
冒頭でお伝えした通り、2021年7月現在オーストラリアへの入国はできません。
しかしながら、2021年後半には試験的に人数を制限して大学留学生の入国許可をすることを決定しており、今後新型コロナウイルスの感染状況によっては州毎で徐々に緩和される見通しです。
今すぐにオーストラリアに留学することはできませんが、1年後には状況は大きく改善している可能性が高く、2022年に留学を検討している方にとって、準備を開始する時期としては決して遅くありません。
特に大学進学となると、様々な準備が必要となりますので、時間に余裕を持って準備を進めるようにしたいものです。
2. オーストラリアの大学について
オーストラリアの大学における3つの特徴を紹介します。
入試がない
世界水準の質
大学数が少ない
■入試がない
オーストラリアの大学には日本のような入試はありません。
入試の代わりに、「高校の成績」と「英語力」で入学査定されます。
高校在学中に出願する場合は、高校3年の出せるところまで(1学期、もしくは2学期)の成績を対象に査定を受けることができます。
■世界水準の質
オーストラリアの大学は、世界大学ランキングに多くの大学が上位にランクインしており、世界的に見ても高い水準であることが証明されています。
■大学数が少ない
オーストラリアにはわずか40校程の大学しかありません。
4年制大学の数で比較すると日本が約780校、アメリカが約2300校ですので、とても少ない数だということが分かります。
数こそ少ないですが、大学間の格差が少ないことは、オーストラリアの高い教育レベルを表しているものでもあります。
3. 大学進学に必要な準備
大学進学に必要な準備の一連の流れを説明します。
進学したい大学を決める
出願
合否判定
英語力検定試験の受験
ビザの申請
■進学したい大学を決める
大学進学に必要な準備の大半を占めるのが、進学希望の大学を決めることです。
大学を決める際に重要なのが、大学卒業後の姿をイメージすることです。
大学進学し学びたい分野を勉強するのは、卒業後の自分のありたい姿を実現するためで、将来どのよう
な自分でありたいか、どのような職業に就きたいかなど具体的かつ明確にしましょう。
そうすることで大学が絞られてきます。
そして、留学生の希望や環境によって(大都市、都市部、田舎などのロケーション、予算(学費)の都合など)最終的にいくつかの大学に絞られます。
■出願
出願に必要なものは
成績証明書(日本語と英語の両方)
卒業証明書(日本語と英語の両方)
英語力証明
パスポート
※高校在学中の出願は卒業証明書の代わりに卒業見込み書が必要です。
※芸術系の学部を希望される場合は、作品などの提出が求められる場合があります。
1. 2. は、卒業した教育機関に発行してもらう書類
3. 4. は、ご自身で準備していただくものになります。
大学のコースを1つに絞る必要はなく、優先順位をつけて2、3校出願することができます。
必要な書類が全て揃ったら出願し入学査定を受けることができ、合否判定が出されます。
■合否判定
合否判定は基本的に3種類となります。
合格
条件付き合格
不合格
1. 合格
「高校の成績」と「英語力」が入学条件を満たしている場合は、条件なし合格(Unconditional Offer)となります。
2. 条件付き合格
「高校の成績」、もしくは「英語力」のどちらかが入学条件を満たしていない場合、条件付き合格(Conditional Offer)となります。
例えば、英語力が足りないので、IELTS6.0以上のスコアを証明することで合格、などです。
3. 不合格
高校の成績が大学の定める成績に達していない場合、条件なしで不合格になります。
仮に入学条件を満たさない場合でも、
語学学校→ファウンデーションコース→大学
語学学校→進学準備コース(EAP)→TAFE→大学(2年)
など、様々な大学進学方法があり、海外留学生の入学に対して非常に柔軟な対応を取っています。
■英語力検定試験の受験
IELTS(アイエルツ)はオーストラリアの教育機関で英語力を証明する検定試験の一つです。
大学進学で求められる英語力はIELTS6.0〜6.5以上が目安ですので、出願時の英語力がどのくらいのものか知るためにも、一度受験してみてはいかがでしょうか?
受験料は25,380円(税込)と安くはありませんので、少しでも高いスコアが取れるように対策をして受験するようにしてください。
英語力を証明するものは、IELTSの他に
TOEFL iBT
ケンブリッジ英語検定
などがあります。
■ビザの申請
オーストラリアの学生ビザの申請には入学許可証(CoE / The Confirmation of Enrolment)が必要になります。
入学許可証はオーストラリアの政府から認定を受けている、CRICOSコードを発行されている教育機関のみが発行できるものです。
※CRICOS(Commonwealth Resister of Institutions and Courses for Overseas Students )は、留学生を受け入れる教育機関として政府に認定され、入学許可証の発行を権利を得ている教育機関のことです。
入学許可証には番号(CoE Code)が記載されており、この入学許可証が発行されていなければ学生ビザの申請はできませんので、大学の手続きが終わり発行されてからの申請になります。
4. 準備期間の例
準備を開始する時期に関しては、早ければ早いほど良いです。
何か新しく対応しなければいけないことがあっても、時間に余裕があれば落ち着いて準備できますし、時間がかかってしまうことであっても対応できます。
逆に準備をギリギリにしてしまうと、普段はしないミスなども起こりかねませんので、準備は余裕を持って行うようにしてください。
大学進学に必要な準備で紹介した項目を時系列で表しています。
スケジュールはあくまで目安です。
また、英語力が足りない方は、大学進学ではなく、TAFE(公立の職業訓練校)もしくは専門学校へ進学し、大学に編入する方法もあります。
コロナ禍で予定通りに物事が進まない、また、進めることができないことが多いですが、入国できるようになってから準備するのではなく、7月の入学を目指しいつでも動けるような準備をしておきましょう。
まとめ
2021年7月現在入国緩和はされていないが、今後緩和される可能性が高い
オーストラリアの大学には入試がない、大学数が少ない、世界水準の質の高さの特徴がある
大学選びが最も重要なポイントで、準備の大半を占める
高校卒業後は7月、もしくは10月が大学進学できる早いタイミング
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