オーストラリアの大学へ進学するには、①直接大学に入学する、②TAFEや専門学校を経由して大学に編入する、の2パターンがあります。これらはどのような違いや条件があるのでしょうか?
今回はTAFEや専門学校から編入する方法についてまとめました。
1. 編入の条件
大学へ編入するには、TAFE(公立の職業訓練校)もしくは専門学校のコースを規定の成績で修了することが条件となっています。
例えば、ビジネスならTAFEのビジネスコース(Diploma of Business)に出願し、入学後ビジネスの基礎やスキルについて学びます。
※Diploma = 大学1年次に相当
コースを修了後、Diplomaの学位を取得できると同時にTAFEが提携している大学でビジネスに関するBachelor(学士号)のコースに2年次に編入することができるというわけです。
ただし、全ての大学に編入できるというわけではないので注意が必要です。
学びたい分野、学部を選ぶことがスタートになります。
2. TAFEや専門学校に入学するには
TAFEや専門学校へ入学するには、
学歴条件(高校卒業)
英語力条件(IELTS5.5以上)
この2つの条件を満たす必要があります。
学歴条件に関して、芸術系に進む方は作品の提出、理系に進む方は理系科目の履修が求められる場合があります。
また、英語力条件に関して、州やコースによって条件(スコア)が異なります。
3. 編入するメリットとデメリット
大学編入する際のメリットとデメリットをまとめました。
メリット
入学条件(学歴条件 / 英語力条件)が下がる
学費が節約できる
デメリット
契約の改定がある
編入できる大学は限られている
【メリット】
■入学条件が下がる
大学に入学するために必要な英語力はIELTS6.0~6.5です。
TAFEや専門学校のディプロマコースであればIELTS5.5が目安となり、英語力条件が下がります。
また、学歴条件に関しても、大学の中には細かい学歴条件(5段階評価の基準や履修科目など)を求める大学もありますが、TAFEや専門学校では医療や通訳など専門性の高いコースでなければ高校を卒業していることが条件の目安となり比較的入学条件を満たしやすくなります。
■学費が節約できる
大学の学費は年間でAU$30,000~40,000(約240万円~320万円)ですが、TAFEの場合、AU$12,000~16,000(約96万円~128万円)ですので、大きく学費を抑えることができます。
具体的にQLD(クイーンズランド州)のTAFEと大学で、ビジネスとホスピタリティのコースを比較します。
シドニーやメルボルンなど大都市になると、学費はさらに高い傾向にあります。
【デメリット】
■契約の更新(変更)
TAFEや専門学校と提携している大学間で契約の更新(変更)が行われ、これまで編入できていた大学に編入できなくなる、または、2年次からでなく1年次後半からのスタートになるなど、進路変更をしなければいけない可能性があります。
メリットに挙げた費用だけでなく、時間も無駄にしてしまうかもしれませんので、進路を決める際は計画をしっかり立てて、最新の情報を手に入れるようにしましょう。
■編入できる大学の範囲
Diplomaコースを修了すると、2年次に編入できると記載しましたが、全ての大学に編入できるというわけではありませんし、コースを自由に選べるというわけでもありません。
大前提として、編入するということは、単位を移行できるということです。
つまり、取得した単位の学問分野が希望するコースの分野と大きく異なる場合は、単位を移行できないので、1年からスタートするということになります。
Diplomaコースで学習した学問分野に沿った大学のコースに編入することができるので、範囲は絞られます。
まとめ
TAFEや専門学校のDiplomaコースを規定の成績で修了することが大学編入できる条件
TAFEや専門学校への入学条件は「学歴条件」と「英語力条件」を満たす必要がある
編入するメリットは、入学条件のハードルが下がり学費を抑えることができること、そして、デメリットは教育機関の契約の更新による進路変更のリスクと編入できる大学とコースの範囲
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